平成30年 小石會新年大会

 

                                                                                            金子 轍史

 

 

 

 平成30年小石會新年大会は、去る1月21日(日)グランドプリンスホテル高輪において、一九五名の方々の出席を得て開催された。これは昨年より一六名多く、減少傾向に歯止めがかかった。

  午前10時から受付を開始、10時半からの席上揮毫に続き、午前11時半から式典が行われた。川口流坡新理事長の年頭の挨拶に続いて、来賓の桑原喬先生よりご祝辞を頂戴し、新師範免許状、三光賞の授与へと進んだ。12時30分からは祝賀懇親会が行われ、楽しいひとときを過ごした。

 以下、式典を中心に概略を報告する。

 

 

 

 席 上 揮 毫

 

▽毛筆漢字部 川口 流坡、金子 轍史、森  草坡

▽毛筆かな部 布田 右石

▽硬 筆 部 後藤 青雲、加藤 春溪

 

  第一部 式  典

                    司会 布田 右石

 理事長挨拶            理事長 川口 流坡

 来賓祝辞        五禾書房  桑原 喬先生

  新師範紹介と免許状授与

                                   代表 竹内 里風

                                   謝辞 和泉 螢嶺

  三光賞授与      石原 翠梢、葛西とも子、柴田 裕子、永野 有弥

 

 第二部 懇親会

 開会の言葉と進行     布田 右石

 乾杯           森  草坡

 中締めと万歳三唱

 

 第一部 式典

 

                                                                                       司会進行 布田 右石

理事長挨拶

 

                                                                                      理事長 川口 流坡

 この度理事長に就任いたしました川口流坡です。前任の安齋春鳳先生とはだいぶ格が違いますが、皆さんのお力添えを頂ければありがたいと存じます。

 本日はお忙しい所お集まり頂き、ありがとうございます。

 小石會は、三室小石先生の遺志を継ぎ、安齋先生が中心になって作られました。また、四誌の編集には、前身の水茎会時代からこの仕事に当たられていた三浦冬石先生が担当され、現在に至っております。三浦先生の編集は、その優れた感覚によって、他の書道雑誌とは一味違うものになっていると思います。

 安齋先生はひらけた方で、人を引き付けるところがあり、私もファンの一人でした。また先生は旅行がお好きで、小石會で五回ほど訪中しました。かなり奥地まで行き、安齋先生、三室瑞穗子会長と共に敦煌の鳴沙山に上ったことが思い出されます。

 理事長は安齋先生、編集は三浦先生が担当されることで、車の両輪のようにして小石會は運営されてきたわけです。しかし、人の命には限りがあり、残念ですがこういう事態になりました。

 理事長の大役を仰せつかったわけですが、充分なことが出来ませんので、いろいろなことがわかっておられる三浦先生や、陰で編集を助けて下さっている三浦先生の奥様やご子息、そして事務局の皆さんに助けて頂ければと思っております。

 今日は最後までごゆっくりおくつろぎください。ありがとうございました。

 

  来賓祝辞

 

                                                                                          五禾書房  桑原 喬先生

 皆さん明けましておめでとうございます。今年の正月は、日本海側は大雪で大変でしたが、こちら側は概ね穏やかでした。

  正月に私が考えたことの一つに「稽古」があります。

  私が皆さんの作品と出会うのは、夏の小石會展です。そこには皆さんが一年一年勉強を重ねられた姿が、滲み出ています。会場で何人かの方とお話をしたことがありますが「私は今年体調がよくて、お稽古をよくできました」と言われることが結構多い。

 この「稽古」という言葉を辞書で引くと、国語辞典でも漢和辞典でも「古いもの、昔のものを、繰り返し繰り返し習うこと」と書いてあります。書道において古いものとは古典であり古筆です。それを、通り一遍サッと習うのではなく、空で覚えていられるまで、何度も何度も臨書する、それが本来の稽古です。

 今から30年以上前、手島右卿先生が鎌倉の病院に入院されていたのでお見舞いに行きました。そうしたら、先生はベッドから手を出して何かやっていらっしゃる。「先生、何をしていらっしゃるのですか?」と尋ねたら「君、臨書だよ、臨書」と仰られました。ほどなく先生は他界されましたが、最期まで古典を学び続ける大家の姿を見ました。

 皆さんも今年一年、稽古の意義を噛みしめ、それぞれのお好きな古典、―王羲之でも顔真卿でも貫之でも行成でもよい―ご自分のこれと思った古典を繰り返し繰り返し学んで頂きたい。そうすることがお一人お一人の書の向上に繋がると思います。それはまた、小石會展での作品の向上にもなります。

 それでは健康に注意され、展覧会によい作品を発表して頂くことをお願いし、ご挨拶とさせて頂きます。

 

この後、来賓の桑原先生とコンドー印刷製本社長、近藤善樹様があらためて紹介され、会場から拍手を受けた。

 

新師範紹介と免許状授与

  平成二十九年に登第された師範二十七名が紹介され、川口流坡理事長より代表の竹内里風師範に免許状が手渡され、会場から温かい拍手が贈られた。

 

 新師範紹介

◎第44回小石會展特別賞

  ▽漢字部

    来間  繁、酒井 艸香

 ▽かな部

    佐々木いく代、慈円仙彩女、井本英津子 

 ▽硬筆部

    竹内 里風、横原 玲趣、田中みゆき、影嶋 和子、渡邉 由光

◎平成29年師範試験合格者

 ▽漢字部

    佐藤 友香、永野 有弥、山本 歩美、西嶋 律男、葛西とも子

 ▽かな部

    和泉 螢嶺、石原 翠梢、生田 美紗、横﨑 実嶺、鈴木 遊嶺、

    金子 季嶺、柴田 裕子、瀬戸 冬華、東  節子

 ▽硬筆部

     二宮 香真、井深 芳菲、小栗加奈子

 

  謝 辞

                                                                                                             和泉 螢嶺

  平成三十年の新春を迎え、この佳き日に栄ある小石會師範免許を賜り、私達新師範一同、喜びで胸がいっぱいでございます。

  これも偏に顧問の三浦冬石先生、理事長の川口流坡先生をはじめ、諸先生のご指導とご厚情の賜物と心より感謝申し上げます。

  私事ですが、今年の正月に宿題の書初めをしていた姪に尋ねられました。「なぜ授業で毛筆を習うのか?普段筆なんて使わないのに…」と。小学校の授業以外で書道経験がない姪にとって書道に親しみを持てないのは当然でした。姪の言葉に最初は大変驚きましたが、次第に私自身の書道への取り組みを顧みる機会となりました。

  小石會では、月刊誌に毎号多様な課題が掲載され、はがきや手紙文など、実用的な課題も学べます。私は今まで毎月の課題を提出することで満足し、実用にはほとんど活かせていませんでした。姪が筆と距離をとるのは、私にも原因があると気づき、猛省しました。

  これからは折に触れ、姪に手紙を書くことにいたします。いつの日か「大人になると毛筆も使うんだな、美しい文字は素敵だな」と思ってもらえるよう、さらに努力を続けて参ります。

  どうぞ今後ともよろしくご指導下さいますようお願い申し上げます。

  おわりに、小石會の一層のご発展と先生方をはじめ、皆様方のご健勝を祈り申し上げ、新師範を代表致しまして、お礼の挨拶とさせていただきます。

 

 平成30年1月21日

                                                     新師範代表 するが支部 和泉 螢嶺

  三光賞授与

  平成29年に三光賞(漢字・かな・硬筆三部門の師範に登第)対象者となった以下の方々が紹介され、川口理事長より賞状と記念品が授与された。

   石原 翠梢、葛西とも子、柴田 裕子、永野 有弥

 

  休憩をはさんで第二部、祝賀懇親会へと移った。

 

 第二部 祝賀懇親会

 

                                                                       司会進行 布田 右石

 

 午後零時40分から祝賀懇親会が開始された。森草坡副理事長の音頭により乾杯。宴会の中で、あらためてご来賓の方々が紹介された。また朝早くから受付の業務に当たって下さっている冬苑会の方々、席上揮毫の準備や進行に当たられた方々が紹介され、感謝の拍手が送られた。

 宴が進むにつれ、和やかで温かな空気が会場を包み、そこかしこから笑い声が聞こえ、グループで写真を撮りあう姿が見られた。

 フィナーレは新師範の全員が登壇、簡単な自己紹介を行った。また、昨年度役員改選が大幅に改選されたため新役員があらためて紹介され、会場から拍手が送られた。終わりは万歳三唱をもってお開き。

 

 

 

 

 

 

 

 

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